薪ストーブを自分で設置するときのポイントその2

(前回よりつづく)

以下は、すでに家が建っていて、あとからストーブを設置した例。

①薪ストーブを置く場所を決めたら、家の寸法を測って簡単な設計図を作る。設計図を作らないと、購入する煙突の数や必要な部材を決められない。ストーブについての本がたくさんでているので、それらを読んで、ストーブの燃焼の理論や安全対策を学んでおく。煙突の高さや形状をどうすればよいかが書いてある。

②ストーブを置く場所にレンガを積んで断熱する。家の床や壁とストーブの距離を十分にとり、熱で木材が燃えないようにする。

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③天井裏に、太い柱や梁(はり)がないか確認して、天井に穴をあける。さらにその上の、屋根の板にも穴をあける。屋根の強度が落ちないように、構造を確認し、強度が落ちそうな場合は補強する。木材など可燃性のものを取り除き、耐熱性のボードで囲む。

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④ボードの隙間は、防水セメントなどでふさぐ。工事中に雨が入らないように、屋根の鋼板は最後に穴をあける。

⑤薪ストーブ設置でやっかいなのが、屋根と煙突の接合部分である。うまくやらないと、火事や雨漏りの原因になる。煙突屋根出し部材は値段が高いし、買っても家の屋根の構造にあうかどうかわからないので、モルタルで作ることにした。

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⑥木枠を組んで、モルタルを注ぐ。熱膨張で割れないように、中に鉄の骨が入れてある。その鉄の骨を、太いネジクギで屋根にしっかり固定しておく。

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⑦防水セメントと雨漏り防止ボンドで、雨水が入らないようにする。

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⑧室内はステンレス1重煙突、貫通部と屋外はステンレス2重煙突にする。2重煙突は、断熱力が大きいので、火災の防止、空気の引きの安定に効果が高い。また、煙道の内側の結露防止にも効果がある。

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⑨耐熱性のボードでふたをして、煙突を固定する。

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⑩煙突が長すぎると、空気の引きが強すぎて熱が外に逃げやすい。構造上、長くせざるを得ないときは、ダンパーで空気の流量を調節する。短かすぎると、空気の引きが弱く燃焼が安定しない。

⑪薪ストーブにかぎったことでないが、メンテナンスが大事。煙突掃除のときに、異常がないか点検し修理する。今まで雨漏りしたのは、煙突と煙突の接合部分だけ。耐熱テープでふさいであったが、風雨でテープははがれてすき間ができてくる。2重煙突だと外側はそれほど熱くならないので、防水ボンドでふさげば大丈夫。

薪ストーブを自分で設置するときのポイントその1

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薪ストーブは田舎暮らしをしたい人にはあこがれだが、今はぜいたく品であり、ストーブの価格も高いし、施工費用はさらに高い。最近はロケットストーブなどがはやっていて、自分でストーブを作る人がたくさん出てきたので、このような情報はもう古いのかもしれないが、まだ需要があるかもしれないので掲載する。

私は田舎の農家の出身なので、子供のころは家には囲炉裏があったし、風呂は薪で沸かす五右衛門風呂だった。薪ストーブもあったが、3000円くらいのペラペラの板金で作られたストーブだった。薪を用意するにはチェーンソーなどの道具が必要だし、薪ストーブを使うのはよほどのヒマ人か働き者か物好きかで、石油ストーブや電気ストーブのほうが近代的でスマートなのは当然のことだった。

薪を作るのは、危険で過酷な労働だ。親父、お袋、私(小学~中学生)の3人で、山に行ってそこらの雑木をチェーンソーで伐り倒し、60cmくらいに伐ってトラックで運ぶ。木を斧で割ったりしている暇などないので、そのまま小屋など雨のあたらないところに積んでおく。燃やすときは、太い丸太のまま囲炉裏や風呂釜に突っ込んで燃やしていた。大きな木ばかりだと燃やしにくいので、山に行って樹の枝を拾ってくるのは私の仕事だった。雪の重みで折れたスギやヒノキの太い枝が、いくらでも落ちていた。薪集めの仕事が苦しかった記憶はあまりないが、風呂を沸かすのも私の仕事だったので、小屋の薪が少なくなってくると不安になったのを覚えている。

以前、農家の山に薪用の樹を伐らせてもらいに行ったとき、80歳くらいの農家の親父さんと話していたら、薪集めの話になった。その親父さんは、子供のころに重たい薪を担いで泣きながら何キロも歩かされて、薪運びは死ぬほど苦しく、親父が憎らしかったと、懐かしそうに話していた。

前置きが長くなったが、薪ストーブを設置する上で、重要なポイントは、以下の点である。

①近隣住民への煙害、騒音

②火事を絶対に出さないこと

③雨漏りを防ぐこと

隣の家との距離が近い場合は、薪ストーブの設置はやめたほうがよい。煙はたいしたことないが、煙のにおいを消すことはできない。せっかく薪ストーブを設置しても、近所を気にして使えないのであれば無駄である。また、チェーンソーや薪割りにも騒音がでる。

薪ストーブの設置方法が悪くて火事になれば、施工業者の責任になるので、業者は完璧な安全対策をとろうとする。雨漏りすればやり直しになるので、これも完璧にしようとする。薪ストーブを設置する人も施工業者もそれほど多くないので、施工費用が高額なのはある程度仕方がない。安くやろうと思ったら、自己責任で、おもしろがって自分でやるほかはない。

(力つきたので、次回へつづく)

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麦の自然史

麦の起源を研究している学者などごく少数であるし、ましてや研究者以外の人が、麦の起源について関心をもつことなどほとんどないであろう。日本の小麦の輸入量は600万トンに対し、小麦の生産量は85万トン(2014年)で、大麦は17万トンしかない。しかし、日本の麦の研究はじつは世界のトップレベルであり、世界をリードしてきた。

1918年に、北海道帝国大学の坂村徹(1888-1980)は、小麦の染色体の倍数関係と正確な染色体数を世界で初めて発見した。小麦の染色体数は、7を基本とする倍数関係にあり、一粒系2n=14、二粒系2n=28、普通系2n=42である。それぞれ2倍体、4倍体、6倍体となる。

坂村の研究を引き継いだのが、普通コムギの起源を明らかにした木原均(1893-1986)である。北海道帝国大学から京都大学に移った木原は、1944年に、二粒系コムギ(2n=18、AABB)と、タルホコムギ(2n=14、DD)が交雑して、普通系コムギ(2n=42、AABBDD)になったことを解明し、1948年にはタルホコムギとマカロニコムギをかけ合わせて、パンコムギを作出することに成功した。

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さらに1955年、木原は、京都大学カラコルム・ヒンズークシ学術探検隊を組織し、パキスタンからカスピ海に至る1万キロを踏破して、マカロギコムギの畑で、雑草のタルホコムギが一緒に生えている場所を発見した。そして、パンコムギの起源地は、カスピ海西岸であると結論づけた。当時のメンバーには、岩村忍(東洋史学)、梅棹忠夫、岡崎敬(考古学)、北村四郎(植物学)、今西錦司、中尾佐助らがいたことを見れば、木原が日本の生物学、人類学、社会学などに与えた影響の大きさをうかがい知ることができるであろう。

本書の、丹野研一氏(山口大学)や森直樹氏(神戸大学)の研究は、木原均の小麦研究が、現在の日本の研究者にも脈々と受け継がれていることを示している。

一方、大麦の研究で世界的な業績を残したのは、高橋隆平(1910-1999)である。高橋は北海道帝国大学で育種学を学び、農林省農事試験場を経て、大原農業研究所(現在の岡山大学資源生物科学研究所)で、大麦研究に従事した。世界中から大麦の栽培品種4000、野生種200を集め、大麦の脱粒性は、2つの優勢遺伝子(Btr1、Btr2)によって支配されていることを発見した。この2つを同時に持つと脱粒性(野生型)となり、どちらか一方でも欠けると非脱粒性(栽培型)になる。さらに、一方はヨーロッパの品種に多く、もう一方は東アジアの品種に多いことを見出し、西域型(W型)と東亜型(E型)と名づけた。すなわち栽培大麦には2つの祖先があり、それぞれが西と東に伝播していったということを意味している。

2015年に、農業生物資源研究所の小松田隆夫氏、岡山大学資源植物科学研究所の佐藤和広氏らは、西域型の栽培大麦は約1万年前に南レヴァントで突然変異した子孫で、東亜型の栽培大麦は北レヴァントで起きた別の突然変異の子孫であることを突きとめた。このニュースは、本書を繰り返し読んでいた私には、ある程度予想どおりの結果であったが、高橋隆平氏の発見が、この報告につながったことは、非常に感慨深いものがあった。

生物学や農学の関係者なら、木原氏の名を知る人はいると思うが、高橋氏は麦の研究者以外には、その名がほとんど知られていないであろう。いつか、彼らのすばらしい業績の、歴史的な意味を知らしめるような本が作れたらなと思う。(一部敬称略)

文献

木原ゆり子、木原均小伝、北海道大学総合博物館ボランティア・ニュース 抜粋特別号(2015)

大麦系統保存の基礎を築いた 高橋隆平

http://www.rib.okayama-u.ac.jp/profile/ijinden/takahashi.pdf

“人類最古の農業”栽培大麦の起源を解明

http://www.nias.affrc.go.jp/press/2015/20150729/

麦の自然史-人と自然が育んだムギ農耕
有村  誠 大田正次 河原太八 笹沼恒男 武田和義 丹野研一 辻本  壽 富永  達 長野宏子 西田英隆 森  直樹 森川利信 吉村作治 渡部  武 佐藤洋一郎 加藤 鎌司
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腐植の成り立ちと機能

腐植は、土壌を構成する大きな要素の一つである。腐植の重要性をはじめて提唱したのは、ドイツのアルブレヒト・テーア(1752-1828)であり、テーアは植物の栄養は腐植(フミン)に由来すると考えた(腐植栄養説)。テーアの弟子のシュプリンゲルは、植物の栄養は窒素、リン、カリウム、カルシウムなど鉱物に由来することを突き止め、無機栄養説を創始した。その後、無機栄養説の普及と化学肥料の登場によって、腐植の研究はあまり行われなくなってしまった。

土壌は、地殻の鉱物と土壌有機物からなる。土壌有機物は、植物や土壌動物など生きている有機物と死んだ有機物からなる。死んだ有機物は植物の茎、葉、木質などの粗大有機物と腐植からなる(図)。腐植を調べるには、さらにこれを要素に分解していかなければならない。

腐植

腐植の理化学的な分析にはじめて取り組んだのは、ソ連のM.M.コノノワである。コノノワは、チェルノーゼムの理化学的分析を進めるなかで、腐植の解析を行い、腐植の概念を提示した。日本で腐植の研究を行っている研究者は多くないが、熊田恭一氏(東京大学)、筒木潔氏(帯広畜産大学)らの研究がある。近年では、青山正和氏(弘前大学)が、腐植と土壌団粒について報告している。

有機物を土壌微生物が完全に分解すれば、有機物のもとの元素である、水素、酸素、炭素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、亜鉛などに還元されてしまう。しかし、草原や森林では、有機物があとからあとから供給されるので、分解途中の有機物が少しずつ蓄積する。腐植が蓄積する量は、供給される有機物の量から、微生物に分解される量をひいたものである。供給される量は、一般には温度と水分量に依存し、分解される量も温度と水分量に左右される。熱帯地方では供給量は多いがそれ以上に分解される量も多いので、腐植はほとんど蓄積しない。腐植が多く蓄積するのは、適度に雨が降る冷涼な気候で、草原やブッシュが形成されるようなところである。

腐植は、有機物が分解される過程の生成物が複雑に縮合したもので、その詳細な構造を明らかにすることは困難である。もとの有機物の多くは草、葉、樹木で、セルロースと木質からできている。木質は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンが、コンクリートのような構造になったものである。セルロースも木質も、有機物のなかでは非常に分解しにくい物質である。哺乳類は、自分の消化酵素ではセルロースを分解することができず、ウシなどの反芻動物は、胃の中に共生するルーメン微生物にセルロースを分解してもらっている。シロアリは、腸内原生生物によってセルロースを分解利用するもの、担子菌類(キノコ)を栽培してセルロース分解を行うもの、また、シロアリ自身がもつセルラーゼによってセルロース消化をしているものがいる。

木質を構成するリグニンを分解するのはきわめて難しく、一部のキノコ(白色腐朽菌)だけが、これを分解できる。このことから、腐植物質の多くは、地球上の有機物のなかで最も分解するのが難しい、リグニンに由来すると考えるのが自然である。木質が毎年供給されて、白色腐朽菌が活発に活動できないような環境なら、リグニン由来の物質が大量に蓄積するはずだ。腐植酸とリグニンの元素組成は似ていることがわかっており(熊田恭一、1981)、腐植酸はリグニンが完全に分解されずに変成した物質と思われる。フルボ酸のほうは木材、樹皮、イネ科植物遺体と元素組成がやや似ており、これらの有機物が分解する過程で生成すると思われる。腐植酸とフルボ酸では、腐植酸のほうが分子量が大きく、単位重量当たりのカルボキシル基は、フルボ酸の方が多いとされている。

腐植物質は、カルボキシル基(-COOH)やフェノール性水酸基(C6H5-OH)を多く含み、これらと金属イオンが錯体(金属と非金属の原子が結合した構造を持つ化合物)を形成するため、水に溶解しにくく安定化している。結合しやすい金属は、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、銅、亜鉛などの陽イオンである。アンモニウムイオン(NH4+)や硝酸イオン(NO3)の保持力は大きくない。

腐植物質は、土壌中で金属イオンと結びついて安定な状態にある「古い腐植物質」と、堆厩肥を製造したときにできる「新しい腐植物質」とにわけて見る必要がある。古い腐植物質は、雨が降っても土壌から溶け出すことはなく、陽イオン交換容量(CEC)を高める機能が強い。一方、新しい腐植物質は水に溶解し、溶存腐植酸、溶存フルボ酸と呼ばれる。堆厩肥を1年ほど堆積して腐植化が進んだ溶存腐植酸には、ごく薄い濃度のときに、植物の根の生長を促進する効果があることが知られている。

一般的な、腐植の機能として考えられているのは、以下のとおりである。

養分の貯蔵庫 腐植には、有機物として窒素、リンなどの養分が蓄えられている。有機物は土壌微生物によってゆっくりと無機化され、養分が植物に吸収、利用される。

土壌団粒の形成 腐植物質には、金属イオンや粘土粒子を結合させる働きがあり、壊れにくいミクロ団粒を形成する。さらに、ミクロ団粒と粗大有機物が、菌類や放線菌の菌糸や微生物が生産する多糖類によって結びつけられて、マクロ団粒が形成される。

陽イオン交換容量(CEC) 上記のように腐植は粘土鉱物と同様に陽イオン交換を行ない、各種の金属イオンと錯体を形成して陽イオン交換容量(CEC)を高める。CECは、土壌の養分保持力や緩衝力の目安となる。

文献

西尾道徳、No.273 植物の無機栄養説と最小律の発見者はリービッヒではなかった:その2

http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3274

M.M.コノノワ、1964、土壌有機物、農山漁村文化協会

熊田恭一、1981、土壌有機物の化学、学会出版センター

筒木潔ほか、1994、土壌生化学、朝倉書店

青山正和、2010、土壌団粒、農山漁村文化協会

リグニン分解酵素の進化が石炭紀の終焉を引き起こした

http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2012/20120702-1.html

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車のエアコンのブロアモーターをPWM制御に換える

車のエアコンのブロアモーター(送風ファンのモーター)が壊れた。それ自体は経年劣化なのでしょうがないのだが、だましだまし使っているうちに、モーターの回転を制御するヒーターレジスター(熱抵抗器)も焼けて壊れてしまった。

ヒーターレジスターを使ったモーター制御は、室温の自動設定には便利なのかもしれないが、電力消費やバッテリーの負担の面では効率が悪い(最近の車は使っていないと思う)。ふつう、エアコンの風を弱くすれば、バッテリーの電気や燃費の節約になると誰でも思うだろうが、ヒーターレジスターの場合、モーターの電流量を下げるために抵抗値を大きくして電力を熱に変えるので、全体としてはむしろ電力効率が悪くなる。暖房時なら発生した熱を暖房に利用できるのでまだよいが、冷房時だと、発生した熱をエアコンの冷たい風で冷やさなければならないので、きわめて無駄だ。真夏に熱々の鍋焼きうどんを食べながら、クーラーをガンガン浴びて、身体を冷やしているような状態だ。

ヒターレジスタ

エアコンのブロアモーターは、車の安全にはあまり関係がないし、簡単な回路なので、部品を買って自分で交換することにした。海外の通販サイトでは、モーターもヒーターレジスターも豊富に扱っているが(手数料は高い)、日本の通販サイトでは、当該のレジスターは販売していないし、ブロアモーターもファンケースと一体になっている。

どうせ修理するなら、ヒーターレジスターはやめて、一般的な直流モーターの制御方式である、PWM制御に換えることにした。PWM制御とは、電源を一定の周期でオン⇆オフにすることで、直流モーターの回転を制御する方式で、パルス幅変調法(Pulse Width Modulation)と呼ばれる。PWM制御なら、電力消費を抑えてモーター制御ができるので、バッテリーの負担も小さくなる。ただ、温度の自動設定ができなくなるが、もともと自動設定はほとんど使っていなかった。

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部品の通販サイトからブロアモーターが届いたが、部品番号が違ったようで、ケースの形状が微妙に違う。そこで、モーターを取り外して、ケースはもとの古いケースを使うことにした。

このモーターとケースは、強くはまり込んでいるだけなので、軟らかい木をあてて金づちで軽くたたけば、少しずつモーターがはずれてくる。はずれたら、モーターを古いファンケースに手で押し込んではめる。このブロアファンケースは、車体から取り外すのがきわめてやっかいで、無理やり外したらツメが何本か折れてしまった。そこで、ケースをはめ込んだあとで、結束ベルトで縛りつけた。

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PWM回路は、最初は800円くらいの安いものを使用してみた。モーターの制御にとくに問題はないのだが、放熱板が小さいので、回路がかなり熱くなる。そこで、より放熱効率のよさそうな回路に変更した。ここで、注意しなければならないのは、回路の周波数である。パルス周波数の低い回路を使用すると、モーターの回転と同調してモーターから異音が発生することがある。モーターの回転数に比べて、周波数が十分に高い回路を使用する。

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ブロアモーターの回路はバッテリーからくる直流回路なので、単純な回路だ。テスターで電圧と極を確認して、モーターとバッテリーの間にPWM回路を直列に入れる。バッテリーは、電圧は低いが電流量は高いので、導線はなるべく太いものにする。念のために、PWM回路の近くに15Aのヒューズをつけた。なお、モーター故障時に、車のヒューズボックス内のヒューズが切れているはずなので交換する。

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使用してみて、今のところ何の問題もないが、PWM回路から熱が少しでるので、夏はエアコンの冷たい風が出るポケットの中に回路を入れている。逆に冬は、ポケットから温かい空気が出てくるので、ポケットから出して使用している。やはりPWM制御は環境にもよい(かなり無理やり)。

注意!

自分の車のブロアモーターをPWM制御に換えようとする人は、自己責任でおこなってください。また、作業時には感電事故に十分に注意して、感電防止のゴム手袋をはめ、テスターで確認しながら作業しましょう。

植物の複雑な繁殖様式

植物の繁殖様式を知っていないと、せっかく果樹の苗木を買ってきて庭に植えても、いっこうに実がならないということがよくおきる。たとえば、バラ科など自家不和合の植物では、異なる品種の受粉樹を一緒に植えないと、結実しない。

植物は一般に有性生殖である。植物や動物などの真核生物では、減数分裂によって2倍体の細胞から1倍体の細胞(配偶子)が生じる。その際、相同染色体の一部を交換する「組換え」が起きる。有性生殖によって、世代のたびに遺伝子の交換と組換えが行われる。

植物の有性生殖には、他家交配と自家交配がある。自家交配する植物は1個体でも繁殖できるので、河川の氾濫原などニッチへの進出に有利である。他家交配の植物は、競合者や寄生者との競争に有利なので、安定した生態系での生存に有利である。なお、他家交配と自家交配は完全に分かれているわけではなく、自家交配の植物は他家交配もするし、自家不和合による他家交配とされる植物でも、老化した花などでは自家交配が可能になる。

さらに植物には、受精なしで種子ができる無性生殖や、子芋、ランナー、地下茎などで栄養繁殖するものがある。

被子植物(一部裸子植物)の生殖器官を、「花」と定義している。多くの被子植物の花には、雄しべと雌しべの両方があり、これを両性花という。雄しべだけのものを雄花、雌しべだけを雌花という(単性花)。雄しべも雌しべもない無性花もある。また、形態上は両性花であっても、花粉に発芽能力のない雄性不稔や、雌しべに受精能力のないものがある。さらに、高温などの環境条件によって、両性花が雄花になったりすることが知られている。

個体の花の雌雄性

植物は、一つの個体(株)に複数の花を咲かせることが多いので、これらの組合せが多くある。一般的には、①両性花のみ、②雌花のみ、③雄花のみ、④雌花+雄花、⑤両性花+雌花、⑥両性花+雄花、⑦両性花+雌花+雄花であるが、上のように花の雌雄性は固定的でないためにより複雑である。

集団内の性の組合せ

次に、同一種の集団内での個体の性の組合わせは、①両性株のみ、②雌株+雄株、③両性株+雌株、④両性株+雄株、⑤両性株+雌株+雄株であるが、じっさいにはより多様で複雑である。

知られている代表的な性型には以下のようなものがある。

両全性…両性花のみの両性株のみ。被子植物にもっとも多い性型。

雌雄異花同株…雌花+雄花の両性株のみ。ブナ科、ウリ科、クルミ科、アケビ科、バショウ科など。

雌性両全性同株…両性花+雌花の両性株のみ。キク科の一部など。

雄性両全性同株…両性花+雄花の両性株のみ。ツユクサ科、ムクロジ科など。

三性同株…両性花+雌花+雄花の両性株のみ。レイシ(ムクロジ科)など。

雌雄異株…雌株+雄株。ブドウ科、モチノキ科、ウルシ科、ヤマモモ科、キウイフルーツ(マタタビ科)、イチョウなど。野生ブドウは雌雄異株だが、両全型の栽培ブドウが出現した。

雌性両性異株‥両性株+雌株。イチジク(クワ科)、クワなど。

雄性両性異株…両性株+雄株。マタタビ科など。ただしマタタビやサルナシの両性花の雄しべは偽花粉であり、両性株だけでは実を着けない。

三性異株…両性株+雄株+雌株。パパイアは、雌株、雄株、両性株、両性雄花(両性花+雄花)株、雌雄同株が存在する。

交配

一般には受粉と呼ばれるが、より詳細には、送粉→受精→交配という経過をたどる。自家受粉では、自家送粉→自家受精→自家交配となり、他家受粉では、他家送粉→他家受精→他家交配となる。

送粉の方法は、昆虫、鳥、コウモリ、風、水などであり、花粉が自動的に柱頭に着く自動同花送粉もある。

自家交配を防ぐ機構

自動同花送粉+自家交配という方法が、もっとも確実に種子ができるが、多くの植物が、以下のような機構を組合せて自家交配を防いでいる。

自家不和合…同じ株の花粉が柱頭についても、花粉の発芽や花粉管の伸長が正常に進まず、受精に至らない。かなり高い確率で自家交配を阻止できる。バラ科、ナス科、アブラナ科、イネ科、マメ科、キク科、ケシ科、ヒルガオ科、サクラソウ科、カタバミ科、タデ科、ブナ科など。被子植物種のうち、おおよそ50%が自家不和合性と考えられている。なお、栽培イネや栽培ダイズなどの作物では、自家交配する種類が選抜されてきた。

雌雄異花…雌花と雄花が分かれている。

雌雄異株…雌株と雄株に分かれている。

雌雄異熟…一つの両性花や一つの雌雄同株で、雄しべから花粉が放出される時期と、雌しべの柱頭が受精しやすい時期がずれている。雌性先熟、雄性先熟、異型雌雄異熟などがある。クルミ科、クスノキ科、バンレイシ科、トケイソウ科、ムクロジ科など。

雌雄離熟…両性花だが、雌しべの柱頭と雄しべの葯が離れている。ユリなど。

順次開花…同じ株の花が同時に開花しないで、順次開花する。昆虫などを引き寄せる効果が弱まるので、大花になるものが多い。

参考

渡邊嘉典 減数分裂 多様さを生み出す厳格なしくみ

http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/060/research_21.html

福原達人 植物形態学

https://ww1.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/index.html

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薪を割るときの注意、「チャールズ・ブロンソン割り」は危険

薪を割るときに、チャールズ・ブロンソンが映画(『荒野の七人』だと思う)の中で薪を割る姿をまねていた。それは、斧をまず背中側に回し、肩でかつぐようにして、後方からぐるりと前に回転させる方法だ(図)。このやり方だと確かに、バックスイングの距離が長くなるので、斧が薪にぶつかるときのスピードが速い。これを「チャールズ・ブロンソン割り」と呼ぶことにする。

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何より、自分がチャールズ(呼び捨てかよ)になったようで、かっこいい(じっさいは危ないのでいつも一人で作業しており誰も見ていない)。このやり方で10年以上、毎年2トンくらいの薪を割ってきたのだが、今年になって、とうとう右手首の筋を傷めてしまった。「チャールズ・ブロンソン割り」は、手首を大きくひねるので、手首への負担が大きいようだ。手首が痛くて、重いものを持つのがとても苦痛だ。

しかし、代わりに薪を割ってくれる人もいないので、手首サポーターを装着して、斧を体の前方からそろりそろりと頭上に持ち上げ、頭上から振り下ろすやり方に変えた。農家の爺さんたちが薪を割るときの形だ。これを「農家の爺さん割り」または「古老の知恵割り」と呼ぶことにする(図)。

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若くて、落合博満のようにリストが強い人は、「チャールズ・ブロンソン割り」がかっこいいが、中年以上でリストがあまり強くない人には「農家の爺さん割り」をおすすめする。手首を壊してしまうと、元も子もない。

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