恒常所得と貨幣量:Permanent income and quantity of money

ミルトン・フリードマンは、1957年に刊行した著書の中で、恒常所得仮説を提示した(文献)。これは、アーヴィング・フィッシャーの消費者理論とフランコ・モディリアーニのライフサイクル仮説をもとにして、消費と所得の関係を理論化したものである。

恒常所得仮説では、現在所得yは、恒常所得ypと変動所得ytに分けられる。

y=yp+yt
y:現在所得
yp:恒常所得。将来にわたって継続すると予測する所得
yt:変動所得。継続的でないと予測する所得

フリードマンは、消費者は、恒常所得ypを消費し、変動所得ytのほとんどを貯蓄するので、消費は恒常所得ypに比例すると指摘した。

c=αyp
c:消費
α:定数

前回のブログで、貨幣を次のように分けた。

mt=mfw+mft+ms
mt:n年の期首に保有しているお金
mfw:1年間に使うお金(flow)
mft:使い道が決まっておらず自由にできるお金(float)
ms:貯蓄するお金(stock)
Mt=Σmt
Mfw=Σmfw
Mft=Σmft
Ms=Σms
Mt=Mfw+Mft+Ms
Mt:領内の貨幣の総量
Mfw:財と交換され流通している貨幣量(flow)
Mft:自由に使えるが流通していない貨幣量(float)
Ms:ストックされた貨幣量(stock)

フローmfwは年間の生活費mcと営業経費meの合計である。

mfw=mc+me
mc:生活費
me:営業経費

保有金額は毎年ほぼ一定とすると、mtは年間の収入金額のことなので、

y=mt-me
=mc+mft+ms

y=yp+ytで、恒常所得仮説では、ytは貯蓄になるので、yt=msである。すなわち、

yp=mc+mft

生活費mcは急には変化せずほぼ一定なので、消費cはおもにフロートmftに比例する。

c∝mft

C=Σc、Mft=Σmftなので、

C∝Mft

需要Dは民間消費や投資などすべての消費の合計なので、D∝Cであり、需要DとフロートMftは以下の関係になる。

D∝Mft

自由に使えるお金Mftが増えると、需要Dが増えて、好ましいインフレになる。

需要Dが増えてインフレになると、供給Sが増えて、価格pは元に戻る。しかし、pは同じでも財の消費量自体は増大するので、フローMfwは大きくなる。

Mfw∝D

すなわち、フロートMftが増えるとフローMfwが増える。

Mfw∝Mft

あたりまえだが、自由に使えるお金の増大は、実際に使われるお金の増大をもたらす。

恒常所得仮説では、恒常所得Ypが増大しないと、消費Cは増大しない。消費が増えることは、MftとMfwとが大きくなることである。

Mt=Mc+Me+Mft+Msであり、営業経費Meを急激に引き下げるのは難しいので、恒常所得Yp=Mc+Mftを大きくするには、Msを小さくする、または、Mtを大きくするしかないことは、論理的に必然である。(つづく)

文献
Milton Friedman, The permanent income hypothesis, 1957
http://www.nber.org/chapters/c4405.pdf

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投稿者: jcmswordp

著述、企画、編集。農家が教えるシリーズなど

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