RNAワールド → アーキア・ワールド → バクテリア・ワールド

RNA worldから、古細菌(アーキア)が生まれるには、遺伝子を包む膜構造ができなければならない。最初の膜は、脂肪酸エステルではないかと考えられているが、遺伝子がどのように、膜を獲得したのかは、よくわかっていない。

%e8%84%82%e8%82%aa%e9%85%b8

膜を獲得する有利性は、地球上の環境へ広く進出できることと考えるのが普通であろうが、ダーウィン進化論から考えると、別の理由ではないか。最初の生物が熱水噴出孔で誕生したとすると、そこは、地球上ではかなり特殊な環境だ。その特殊な場所で何億年も生きていたのであるから、別の環境に進出する以前に、熱水噴出孔の周辺で、すでに多くの種類の遺伝子が出現しているはずだ。すなわち、遺伝子が膜構造を持つようになったのは、別の遺伝子のリボザイムの攻撃から、膜で防御することができたからであろう。

膜をもった遺伝子が登場すると、他の遺伝子からの攻撃を防御できるが、逆に他の遺伝子を攻撃できなくなる。そこで、膜の外に、タンパク質の酵素を放出して、他の遺伝子を攻撃し、分解・利用する種が誕生したと考えるのが合理的だ。また、RNAは熱水中では構造が壊れやすいために、より強固なDNAをもつ種が生き残ったのであろう。膜構造、タンパク質のコード、安定したDNA、自己複製能力を獲得したとことで、古細菌(アーキア)が登場した。

%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%82%ad%e3%82%a2

アーキアは、熱水噴出孔をはなれて、さまざまな環境に進出することが可能になった。膜やタンパク質を持たないRNA worldは終焉し、アーキア・ワールド(Archaea world)に移ったと考えられる。

古細菌を独立させて、生物界を3つに分類したのは、微生物学者のカール・ウーズである。ウーズは、16S rRNAの解析によって、3ドメイン説(Three-domain system)を唱えた(Woese ,1977,1990)。またウーズは、始原生物がRNAから生じた可能性があることも指摘している(1967)。この3ドメイン説が登場したときは、衝撃的であった。

%e3%83%89%e3%83%a1%e3%82%a4%e3%83%b3

アーキア・ワールドが成立すると、次は、アーキアの膜の中に侵入して寄生するウイルスやウイロイドがあらわれたであろう。なぜなら、核酸塩基やリボースなどの資源物質を得るには、アーキアに寄生、利用するのがもっとも効率がよい。アーキアが、ウイルスやウイロイドの攻撃に対抗する方法は3つが考えられる。

1つは、同種の個体間で接合することである。接合して壊れたDNAを修復したり、抗ウイルス遺伝子を交換する。

2つめは、細胞膜を強固にして、ウイルスやウイロイドの侵入を防ぐことである。これが、ペプチドグルカンの硬い殻であり、硬い殻を有した種は、真正細菌(バクテリア)の起源となったのであろう。

%e3%83%90%e3%82%af%e3%83%86%e3%83%aa%e3%82%a2

バクテリアは、硬い殻を獲得したことで、地球の環境中に広く進出することが可能になった。さらに、バクテリアのある個体が、クロロフィルとミトコンドリアを獲得して、太陽エネルギーを獲得・利用できるようになった。これは、生物にとって、革命的な出来事であった。バクテリア・ワールド(Bacteria world)の成立である。

バクテリアは通常は無性生殖である。広い環境に進出したので、単独で分裂・増殖したほうが効率がよい。しかし、生存のための環境条件が厳しくなったとき、接合(有性生殖)して個体間で遺伝子を交換する(図)。

%e6%8e%a5%e5%90%88

3つめは、CRISPR(クリスパー:Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat)である。CRISPRは、アーキアとバクテリアで発見された獲得免疫のシステムで、遺伝子治療、ウイルス治療、ゲノム編集の方法として、近年、猛烈な勢いで研究が進んでいる。ただ、これについては、まだよくわからないことが多く、後述。

次に、真核生物の成立についてみてみる。真核生物は、アーキアが好気性のバクテリアを取りこんこんだことで、成立したと考えられている(Margulis,1967)。現在では、ミトコンドリアはαプロテオバクテリアに由来し、クロロフィルは、シアノバクテリアが起源と考えられている。マーギュリスは、これを「共生」と呼んでいるが、これについてはややこしいので後述。

シアノバクテリアとαプロテオバクテリアが登場すると、地球上にはそれまでとは比較にならないくらい大量の有機物が生成するようになったはずである。そこで、アーキアの中で、豊富なバクテリアを捕食する個体があらわれたと思われる。

%e7%9c%9f%e6%a0%b8%e7%94%9f%e7%89%a9

アメーバのように、バクテリアを捕食して細胞膜の中に取り込むと、バクテリアの遺伝子に自分の遺伝子が攻撃されたり、混じったりしてしまうので、「核」の中にDNAを入れて、隔離した。これが真核生物の起源と考えられる。真核生物のなかで、ミトコンドリアを吸収・利用するようになったのが動物と菌類で、ミトコンドリアとクロロフィルを取り込んだのが植物だ。(つづく)

堆肥と土壌の作り方: 身近な有機物を利用する
電子園芸BOOK社 (2016-09-19)
売り上げランキング: 12,453
広告

投稿者: jcmswordp

著述、企画、編集。農家が教えるシリーズなど

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中